フィンランドでひときわ素敵な国立公園

キャンプやサイクリングからカヤック、スキー、スノーシューまで、フィンランドの国立公園は、スポーツ愛好家が多くのアクティビティ機会を楽しめる場です。また、身体アクティビティをせず、キャンプファイヤー場で、コーヒーを飲みながら絶景を鑑賞するだけの楽しみ方もあります。フィンランドでのアクティビティのヒント 本稿では、思い出に残る必見の国立公園を6か所ご紹介します。

パッラス・ユッラストゥントゥリ（Pallas-Yllästunturi）国立公園フィンランド最古の国立公園

キッティラ近郊のパッラス・ユッラストゥントゥリ国立公園は、丘陵地帯に取り囲まれた美しい景色で、どの季節の訪問者も暖かく迎えてくれます。ラップランドの華麗な自然、日が沈まない夏期の夜、幻想的な秋季の彩り、冬の夜空を飾る北極光（オーロラ）など、一年を通して絶筆の魅力を楽しめます。

パッラス・ユッラストゥントゥリは、自然を愛する人のパラダイスです。この公園で最も人気のある遊歩道は全長55キロのヘッタ・パラスで、歩を進めるに合わせて、息をのむような美しい丘陵地帯の山頂と峡谷が交互に現れます。

公園内には延べ350キロメートルのハイキングコースがありますので、日帰り訪問者も素晴らしい思い出づくりができます。また、全体で500キロメートルを超えるスキー用トラックや多目的マウンテンバイク道も広範囲に敷かれています。

パラストントゥリの最高峰タイバスケロへ足を延ばせば、頂上から北部の原生地帯に広がる感動的な風景を鑑賞できます。ピルンクルでは、ケッサトゥントゥリの頂上に至る岩だらけの山道を登りながら、丘陵地帯に流れるそよ風を胸いっぱいに吸い込みましょう。あるいは、サークィットントゥリへ向かう歩きやすい道を選んで、パラストントゥリ地域の絶景を心ゆくまで楽しむのもよいでしょう。

ご存じですか？　パッラス・ユッラストゥントゥリ国立公園では、国際的な芸術家たちが創造した環境美術も鑑賞できますよ。

ウルホ・ケッコネン（Urho Kekkonen）国立公園荒野と旧来のトナカイ群

イヴァロを南に進めば、魅惑的な北極荒野地帯が広がるウルホ・ケッコネン国立公園があります。この公園では、広大な森林荒野、透き通る水をたたえた丘陵池、急傾斜の峡谷、スコルトサーミの古い開拓地など、驚愕の自然美や、さまざまな文化と名所旧跡を堪能できます。そして、公園の最南東にある松林と開閉沼の中心には、サンタクロースが住む神話の地コルヴァトゥントゥがあります。

国家級の重要環境文化遺産のラヤ・ヨーセッピ・ホームステッドを訪れ、魅力的な中庭と緑豊かな牧草地に立つ建造物を観察しましょう。乾燥した北方林の道を進んでいくとウクセルマパエ丘陵地帯が視界に入ってきます。ここでは、丘陵に隣接する谷間や渓谷の絶景を眺め、パラティシクルでは水晶のように透明な水の沼池を鑑賞できます。

ハイキング訪問客だけでなく、冬にはスキーヤーもやってきます。公園内には、延べ200キロメートル以上の標識に示されたハイキング用トレイルとスキー用トラックがあります。ウルホ・ケッコネン国立公園はカヤック乗りや漁師にも人気があります。

公園はあらゆる訪問目的に対応できるように整備されています。公園内を案内する3か所の自然センター、多くの差し掛け小屋、キャンプファイヤー場、簡易住居、6カ所のサウナなどが自由に使えます。

オウランカ（Oulanka）国立公園きらりと輝く急流と色鮮やかな山々

クーサモにあるオウランカ国立公園では、フィンランドで最も美しい急流と多種多様な生態系を鑑賞できます。そして運が良ければ、春には珍しいカリプソ種のランや、水面を跳ねる野生のマスを見つけられるかもしれません。

この公園で最も有名な遊歩道はカルフンキエロストレイルです。延べ82キロメートルの小道を歩きながら、急流や滝、吊り橋、牧草地に点在する納屋などを楽しめます。ハイキングの初心者には、このカルフンキエロスが、最初の長距離ハイキング体験をする最適コースではないでしょうか。オウランカ国立公園には、日帰り旅行に適したハイキング用トレイルがたくさんあります。

また、急流でカヌーやラフティングをしながら、公園の景色を鑑賞するのもお勧めの楽しみ方です。経験豊富な水上スポーツ家なら、オウランカヨキ川の上流まで登り、急流でエキサイティングなアクティビティを楽しめます。反対に下流部分では、早瀬の騒音がなく水の流れが緩やかなので、家族連れや初心者のカヌー遊びに適しています。

コリ（Koli)国立公園フィンランド国土の風景

コリ国立公園は、クオピオ東部から車で約2時間の場所にあります。岩だらけの丘陵地帯と魅力的な湖沼の地形は、フィンランドで最も愛されている風景であり、ジャン・シベリウスからイーロ・ヤルネフェルトまで多くの有名な芸術家を感化してきました。ここには目を引く景観スポットがたくさんあり、これがこの公園の最大の特徴でもあります。訪問する際はカメラの持参をお忘れなく。何度でも訪れて眺めたい風景を多く収められますよ。

目の覚めるような絶景だけでなく、コリには総距離80キロメートルの標識に示された散歩道や自然遊歩道があり、あらゆる歩行能力の旅行者が楽しめます。この公園の代表的な地形は、公園の中心を始点とするヒュイピエン・キエロ遊歩道を進む中で視界に入る景色です。この遊歩道は次にあげるコリ島の最高峰を通ります。ウッコ・コリ、アッカ・コリ、パハ・コリ。また、木立の中心部にあるタラピューロの滝や神秘的な形状のピルンキルコ洞窟も逃せない名所です。

コリはハイキングだけでなく、多くのアクティビティも楽しめる公園です。例えば、ピエリネン湖で水かきボートを楽しんだり、馬に乗って山々の絶景を堪能したりできます。公園全体が雪に覆われる冬季は、ダウンヒルスキー、クロスカントリースキー、スノーシュー(雪上歩行具）歩行などのアクティビティで楽しめます。

レポヴェシ（Repovesi）国立公園岩と湖をブレンドした風景

レポヴェシはヘルシンキから車で2時間半のところにある、面積が15平方キロメートルの小型国立公園です。ここでは、非常に多くの湖池、岩壁、原生林を混ぜ集めたような絶景を楽しめます。また、ハイキングに最適な場所でもあり、あらゆる年齢層の訪問者に対応できるレベル別遊歩道があります。この公園にある高山や岩だらけの傾斜地には、経験豊富なハイカーでも移動に苦しむ難所があります。

魅力スポットのひとつである、全長55メートル、地面からの高さ12メートルのラピンサルミ橋渡りは、ユニークな体験になるはずです。壮大な景色としては、高さ50メートルの垂直岩壁に隣接するオルハヴァンヴァオリ・ロックも見逃せません。ここは、ロッククライマーのパラダイスとも言えます。この公園では、荒地に生息するアビ（日本では繁殖していない鳥種）を見られるかもしれません！

ヌークシオ（Nuuksio）国立公園首都圏の自然保護地

ヘルシンキからすぐ近くのヌークシオ国立公園は、荒野と湖沼を織り交ぜた高原地帯です。この地を構成する原生林、緑豊かな牧草地、多くの沼湖は、ラッコから珍らしいモモンガまで、多様種生物の共存圏を形成しています。

ヌークシオ公園内には、距離1.5キロメートルから17キロメートルまでの多用途遊歩道が整備され、日帰り旅行者の理想的な訪問地となっています。また、一部の遊歩道はアクセシビリティも整えています。この公園を代表する景色は、全長4キロメートルのハウカンキエロス循環トレイルから眺められる美しい森林風景です。この景色を楽しみながらトレイルを進んで行くと、丘の頂上にたどり着き、そこからミルリュプーロ渓谷を一望できます。

ヌークシオの森林では、サイクリング、乗馬、カヌーやスタンドアップ・パドルボードなどが楽しめます。あるいは、公園内の湖で泳いだり、ロジリング（謎解き）をしたり、ジオキャチング（宝探し）を試したりしてリフレッシュするのもよいでしょう。

公園には、焚き火場やキャンプ場、宿泊小屋、さらには自然のブティックホテル「Haltia Lake Lodge」など、各種施設が充実しています。フィンランド自然センター「Haltia」では、さまざまな展示会、ガイド付きツアー・小旅行を提供しており、こうした情報でフィンランドの自然を深く理解できます。