海外から移住してきた同僚の目から見たフィンランド
極端な気象条件、多くの自分だけの空間、優れたワークライフバランス、そして奇妙なサウナ文化を持つ世界で最も幸せなこの国について、海外からフィンランドに移り住んだ5人の同僚にインタビューを行い、意見を求めました。

フィンエアーには幸いにも、さまざまな経歴を持ち、世界各地からやってきた社員たちが在籍し、その国籍は約60か国に及びます。この度、国際チームのメンバーであるポール、アキ、アーロン、ヒューゴ、ダニエラの5人に、フィンランドで最も驚いたことや気に入っていること、生活と仕事に関する見解を聞かせてもらいました。
親しみやすい人々、風変わりなサウナの習慣、奇妙な天候
ポール・ケンゲはカメルーン出身のクラウド設計担当者で、フィンランドで暮らし始めて、すでに14年なります。14年たった今でも、ポールは、フィンランド人の慎み深さに驚かされるそうで、仕事を通して、または個人的に出会った人々は、他では見られない謙虚さを持っていると言います。
北国の天候は驚きの連続だったというメンバーもいます。ナカタケ・アキは、フィンランドを拠点に勤務する日本人客室乗務員ですが、彼女はフィンランドの夏と昼の長さに惚れ込んだそうです。「フィンランドの夏は本当に美しく、太陽がほとんど沈まない時期もあります。ただ逆に、私が最初に来た年は、冬の暗闇に大きなショックを受けました」。フィンランドで7年近く暮らしてきた今は、アキも暗い冬に慣れてきたそうです。

ナカタケ・アキは、フィンランドと日本の文化が似ていることに気づきました。
ダニエラ・オリアはフィンエアーのデザイン担当リーダーで、北イタリアの小さな街の出身です。フィンランドで25年間暮らしてきた彼女にとって、フィンランドの季節は今でも驚きに満ちています。「一年を通じて光の変化にはいつも驚かされます。11月は暗いのですが、毎年夏になると、夕方の明るさとそれに続く長い日没の眺めに思わずうっとりしてしまいます」
アーロン・マッガヴィーは、フィンエアーのネットワーク戦略および開発責任者で、オーストラリア出身。フィンランドでの暮らしは6年半になります。スペイン出身のヒューゴ・レケーナ・ウェルタは、フィンエアーの客室乗務員として、フィンランドに7年間暮らしています。アーロンとヒューゴは二人とも、自分たちが思っていた以上に寒くて暗い天候をむしろ楽しんできたと言います。

ヒューゴ・レケーナ・ウェルタは、フィンランドの冬にうまく適応し、今では雪の降る季節を楽しんでいます。
アーロンは、フィンランドに移り住む前、フィンランド人と友人になるのは難しいかもしれないと忠告されたそうです。しかし、それは正しくないことがわかったと言います。「その忠告は的外れで、友人になってくれる人々はみな、大変誠実であることに驚かされました」
フィンランドの習慣で最も奇妙なものは何かと尋ねると、アキは次のように答えてくれました。「フィンランド人は、自分だけの空間にとてもこだわっています。誰ともなく互いに距離を置いているのは見ていて面白いし、彼らは世間話に夢中になることもありません。日本人の私も自分だけの空間を大切にしているので、実は共感を覚えます。それが、フィンランドでくつろげる理由の一つです」
ポールとヒューゴにとって、フィンランドのサウナの伝統は慣れ親しんだ習慣です。「同僚や見ず知らずの人々と裸でサウナを楽しむのは、私にとって今でも最も楽しくて珍しいフィンランドの伝統です。でも、それになじむには数年かかりましたけどね」とポールは語っています。
大好きなフィンランドの文化や慣習
新しい国に慣れ、さまざまな行動様式に親しむには、時間がかかる場合があります。それと同時に、大好きな文化や習慣も新たに見つかるかもしれません。
アキにとって、フィンランドのサウナ文化は、彼女のお気に入りの一つ。今はすっかりそれにはまっていると言います。自宅にはサウナがあり、寒い冬の夜や仕事で長い一日を過ごした後、暖かい蒸気に包まれるのが大好きだそうです。「サウナはリラックスできるだけでなく、ゆっくり心を落ち着かせ、穏やかな雰囲気の中で人との交流を楽しめる場所でもあります。また、熱いサウナと冬の冷水を交互に浴びるフィンランドの伝統も大好きです。最初はやり過ぎのように思われましたが、試してみてその爽快さに惚れ込みました」

ナカタケ・アキは、氷水を浴びる喜びを発見しました。
ポールによると、フィンランド生活で最も良い点の一つは、手軽に大自然に触れられること。そして、その静かな環境で自分と向き合い「すべての人の権利」を実践できることだと言います。つまりフィンランドでは、例えば、利用が許されている場所でのキャンプや、野生のイチゴ狩りやキノコ狩り、水泳やボートが楽しめます。
ダニエラがフィンランドで好きなところも、自然が身近にある点です。「フィンランドのどこに住んでいても、自然が常に、文字どおりそこにあります。それが私の気に入っているところです。私たちは首都圏で仕事や生活をしていますが、リスやキツネ、そして鹿まで庭にやってくるのです!」

ダニエラ・オリアは、身近にあるフィンランドの自然が大好きです。
自然のほかにも、フィンエアーのチームメンバーは、良好に機能するフィンランド社会とその生活の豊かさを高く評価しています。ヒューゴは次のように述べています。「フィンランドの暮らしで最も良い点は、ここで得られる平安であり、誰にも邪魔されることなくプライバシーが尊重されることです。そして、すべてが常に軌道に乗っているという感覚でしょう。」 これらは、ヒューゴがスペインに持ち帰りたいことでもあります。
ダニエラは、イタリアにフィンランドの文化と習慣を何か持ち帰ることができるとすれば、それは、フィンランドの学校制度と個人に対する深い敬意の念の2つだと言います。彼女は「フィンランドの学校制度とそれを取り巻く環境は、成績と競争に重きを置くのではなく、学生に成長と能力開発の機会を与えてくれる」と感謝の気持ちを述べています。
一方でアキは、フィンランドのコーヒー文化を母国の日本に持ち帰りたいと考えています。コーヒーは単に飲むだけではなく、家族や友人、同僚と過ごす上で大切だと言います。「私は同僚と一緒にコーヒーを飲むのが好きで、『プラ(フィンランドの甘いパン)』はその時間をさらに盛り上げてくれます!」 彼女はそう喜びを表現しています。

ポール・ケンゲは、フィンランドの自然がもたらす平安と静けさを楽しんでいます。
個性を支える労働文化
インタビューを受けたメンバーは、フィンランドの労働文化について聞かれると、信頼や敬意、平等、協力、自立について言及します。全員の意見が大切にされ、従業員には自分自身のスペースも与えられます。さらに、ワークライフバランス、フリータイムへの理解、長い休暇が話題に上ります。
フィンランドでの勤務経験が一番長いダニエラは、結婚して子供を産んだ後に、最も心を動かされたと語っています。フィンランド社会は自立を前提に構築されているため、その労働文化は、ベビーシッターや祖父母へ過度に依存することなく、家族の後方支援を行います。
「職場では、学校や家庭で行わなければならない習慣が一般的に受け入れられ、子供の世話をするために職場を離れたり、特定の時間に仕事を控えたりしても問題ありません。イタリア文化など、他の多くの文化と比較して、これは当たり前のことではありません。健康的なワークライフバランスのため、この文化はかなり重要だと思います」。ダニエラはこう述べています。
「また、労働文化全体がキャリアに就いたばかりの若者たちを温かく迎え入れているし、若年者向けにインターンシップやトレーニングを奨励する機会も数多く設けられていると思います」

ダニエラ・オリアは、2000年にフィンランドに移り住み、すでに25年間ここで暮らし、働いています。
フィンランドへの訪問や移住のためのヒント
フィンランドへの訪問や移住をお考えですか? チームメンバーに、訪問や移住のための最高のヒントとは何か尋ねてみました。
アーロンは次のように述べています。「ヘルシンキだけではなく、国全体に目を向けてください。というのは、フィンランドの田舎は壮観で、季節によって多種多様な風景やアクティビティが楽しめるからです。また、夏はジャケットを1枚、冬はさらに大きめのジャケットを持参してください」
アキは、フィンランドでは世界有数の清浄な水道水を利用できるため、ボトル入り飲料でお金を無駄にする代わりに、再利用ボトルがあれば至る所で水道水を注げると言います。
「フィンランドは初めてですか? ようこそ、ウェルネスの国に!私の最高のヒントとは、ありのままでいること、前向きに自分が出会うユニークな習慣を試したり、学んだり、受け入れたりすることです。後は楽しむこと。そして忘れられない思い出を作ることです!」。ポールはこう語っています。
最後に、ヒューゴからは、他の場所と同様に、フィンランドでも新しい場所に落ち着くには時間がかかるため、忍耐強さを忘れないでほしいとのことです。「気象条件や文化・社会の変化を受け入れるには、心の広さが強く求められます。フィンランド語にトライして学んでみましょう。難しいかもしれませんが、不可能ではありません」。ヒューゴはこう述べています。「全体的に、私はここに住んでとても幸せです。フィンランドを私の故郷と呼べることを誇りに感じています!」
皆様とお目にかかれることを楽しみにしています!
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